hitoriの卵焼き

砂糖味、塩味、しょうゆ味、不思議な味。あなたはどれが好きかな。

八十日目 寺山修司   縁側でお茶しない?

 八十日目 寺山修司

 

   この世でいちばん遠い場所は
   自分自身の心である。


  わかっているようで、
  いつも自分の心に振り回されて、
  でも、それが新しい自分だったりする。

  いくつになっても、それはあるものよ。
  人の心には、自分も他人も気がつかない部分があるから。
  自分は知っているけど、見せない部分、
  自分が気がつかないけど、人からはすぐに気づかれている部分、
  自分も他人もわかる公けになっている部分、
  そして、どちらも知らない隠れた未知の部分。
  潜在的な領域かな。


   世界の涯てとは、てめえ自身の夢のことだ。


  死ぬまで夢を追い続けていたいわね。
  なかなかたどり着けないけど、
  着いたと思ったら、遠くにまた夢が見えるの。
  それが幸せってものじゃない。

  蜃気楼じゃない現実のもので、
  でも急ぐ旅でもなくて、
  楽しみながら進むのが夢。

  目的は進むことであって、
  たどり着いて、そこにどっかりと座ることじゃないの。
  


   どんな鳥も想像力より高く飛べる鳥はいない。
   人間に与えられた能力のなかで、
   一番素晴らしいものは想像力である。


  なりたい自分になるには、
  「なりたい」を具体的にイメージしなくちゃ。

  みんな いろんな「なりたい」があるんだろうな。
  だが、私はなぜか、いつも
  「暖かい縁側でお茶を飲む」場面なの。

  まるで古い昭和の映画だね。
  どこか旅行に行きたいなんていうのは、
  行けば終わりでしょ。
  でも縁側は、お茶を飲んでもそこで終わりにはならない、
  不思議な場所。

  あなたの好きな場所はどこ?