hitoriの卵焼き

砂糖味、塩味、しょうゆ味、不思議な味。あなたはどれが好きかな。

脱皮する女はきれいさ

脱皮しない蛇は生きていけない。
セミや蝶は脱皮して世界が変わる。飛べるようになるから。

 では人の脱皮はどんなもの?ホラー映画のように、体にできた肌色の衣を脱ぐ?体が大きくなるわけじゃないから、そんな必要はない。もちろん大人の話。
 脱皮によって変わるのは心や考え。それは、セミや蝶のように、物の見え方が変わる。
 蛇や蚕は何度も脱皮をする。人は生きていく中で何度も脱皮しなければならない。脱皮しなければ、心の成長が止まってしまうから。それは安定かもしれないが、言い方を変えれば衰退である。

 人生は螺旋階段、丸い丸い螺旋階段。横から見れば、右に行ったり左にいったり。上から見れば、北に進んだり南に進み、東にも西にも進む。太陽に向かって歩いたと思えば、太陽に背を向ける。
 脱皮することは、今までの考え方や物の見方を捨てて、新しい考えを取り入れること。それまで前だと思っていたものが後ろに変わる。正しいと思っていたことが、違う見方に変わってしまう。それは、キャベツだけを食べていた青虫が、花の蜜だけを求めるようになるのに似ている。
 脱皮しないということは、階段を登ることを辞めたことになる。辞めれば上には登れない。じっと留まることができず、ズルズルと降りて、心はかたくなになってしまう。
 登る原動力は好奇心、向上力、仲間への愛。

 女の人は、髪型や化粧、衣装で別人を演じることができる。それは上部にすぎないが、心底からなりきることだってできるのだ。役者のように。
 役になりきるには、その役の考え方や喋り方、歩き方、身のこなし、習慣などまで自分のものにすれば完璧。芋姉ちゃんから脱皮して、貴婦人になれる近道。

 例えば、デビューしたばかりのアイドルがこう言う。
 「原宿を歩いていたら声をかけられたんです」
 それを鵜呑みにしてはいけない。簡単に声をかけられたわけじゃない。スカウトされる女の子が、どういう服装をし、髪型がどんなで、歩き方がどんなかを研究していたはず。目つきの使い方もどのようにすれば、相手が目力を感じるか鏡とにらめっこの毎日を過ごし、休みの日には原宿を歩いて観察していたから声をかけられるのだ。

 まずは、なりたい自分をイメージし、服装や話し方、髪型、歩き方をまねしてみる。毎日、来る日も来る日もそうする。
 自分をよく知り、強みが何か、足りないものをどう補えるかを知る。何よりも自分を信じ、好きになること。

 「私なんて」
 その言葉、誰と比べてそう思ってる?人は誰でも宝石を持っている。磨くか磨かないかの違いだけ。
 賢女になりたければ、心を、その場だけの人気が欲しければ、外見を。世渡り上手とはそういうものかな。