hitoriの卵焼き

砂糖味、塩味、しょうゆ味、不思議な味。あなたはどれが好きかな。

黒か白かって、オセロじゃないんだよ

 「もしかしてハーフですか?」
 たまにこう聞かれることがある。私としては嬉しくもなんともないの。目鼻立ちがハッキリしてて、色が黒いからだと思う。
 保育園の保護者の集まりで言われた時はこう言い返した。
 「わかる?インドネシアなのよ」
 「やっぱりそうなんだ」
 相手は疑うことなく信じてしまった。私は笑ってくれるだろうと思ったのに。フィリピンだと言うと、ほとんどの人が信じてしまいそうなので、でもパキスタンと言えば、嘘~となって話がはずまない。そこで中途半端な距離のインドネシアにしたわけ。
 私は、目の細い、笑うとなくなるコケシのような顔が羨ましい。小学生のころ、知らない女の子にこう言われたことがある。
 「ちょっと、そこの目の大きい人」
 失礼な呼び方だよね。


 コンビニでレジをしているとき、つくづく感じることがある。
 みんな色が白いんだよね。日焼けしてないというより、元からの色白みたい。
 白い肌は七難を隠すっていうけれど、ほんと羨ましいな。
 釣り銭を渡すとき、目に飛び込む客の白い手、私の色黒の手とのコントラストは、色黒女の悩みの象徴です。
 色白の男が来たときは、「早く帰れよ」の言葉をゴクリと飲み込んで、「ありがとうございました」に変える。

 まぁ、親が色白じゃないから仕方ないね。春の終わりごろから、すでに日焼けが始まり、冬至のころから少し日焼けがとれ始める。しかし、世の中を見ると、私が白くなり始めるころには、周りは白、しろ、シロ~い肌の人ばかり。
 きっとアフリカに行けば白い美人と言ってくれるかも。いやいや、そんな期待はしないほうがいい。アフリカの人にも負けないくらい日焼けで黒くなるに違いないから。私ならきっと先住民に間違われそうだ。

 メラニン色素製造工場にもいいことはあるんだよ。皮膚がんになりにくい。紫外線から体を守るためのシステム全開なんだよ。嫌だなんて贅沢なこと言っちゃいけない。
 美白、美白なんて言っても、太陽から逃げることはできない。日焼け止めなんて、めちゃくちゃ肌が荒れる。今は、いい商品もありそうだけどね。私は日焼けなんて平気。だけど、色白の人にとっては、やけどみたいに真っ赤になるし、シミやしわにもなる。となると、色黒の私は太陽の恋人だ。


話のネタはワンパターン?

 美容院に行くと、必ず言われる言葉。
 「まつげ長いですね」
 毎回、同じことを言われる。以前住んでいた所は行きつけの美容院があったので、話題はいろいろとあって楽しかった。今は、行きつけがないから、新しい美容室のたびに言われる。チェーン店の美容室で、スタッフが固定でないとこもある。
 私は言いたい。
 「おいおい、毎回同じフレーズしかこない接客パターンなのかい。まるでテープレコーダーだね」
 そう思っていたら来たぞ、新しい言葉。
 「まつげ、エクステしてます?」
 しかし、中身は一緒だ。もう少しひねりなよ。関西だろ。

 そう言えば、中学生のとき、長いまつげをはさみでチョキンって切ったことがあった。そうしたら、幼稚園の子が描いた絵みたいになっちゃった。眼からお日様の光を描くときみたいに、まつげがピッピッて出てる感じ。それをクラスの女の子がしっかり見てて、「まつげ切ってたね」と言われ、恥ずかしかったよ。

 まつげにマッチ棒を乗せたことある?みんな一度はやってるかもね。私の記録は三本。

うちの子は太った娘が好き


 うちの息子たちは、ぽっちゃりした娘が好き。次男なんてこう言うのだ。
 「太っているほうが、目立って探しやすい」
 連れてきた彼女はしっかり肥満だった。

 世の若い女たちよ、無理にやせることはない。太っているほうが好きな男はいるのだ。体形を気にするより、中身を磨け。ダイエットなんて、CMに踊らされてはいけない。太る太らないは、おおいに遺伝子が関係していることを忘れてはいかんよ。男のハゲと同じ。
 食べ過ぎないようにしていればいいんだよ。
 人間の体は繊細。ダイエットして急激に体重を落とすと、体は飢饉だと判断して、防御体制に入り、それがリバウンドという形で現れる。
 太りすぎないようにする一番の方法は、甘い物を控えること。夜に何か食べたくなったら、スルメでも噛んでなよ。

 そう言えば、美容院の人って、「太ってますね」とは言わないよな。女の人が気にすることは言わないんだね。何度か行っている美容院なら、「最近、少し太りました?」くらいはいいそう。お客さんが結婚している人なら、「幸せ太りですか?」で差し障りのないように会話が進められる。結婚すると、女は体形をさほど気にしなくなるものよ。まぁ、服のサイズが変わったときは慌てるだろうけど、それは後の祭りとなる。
 「最近、痩せましたね。どこか具合でも悪いんですか?」なんて言う美容院があったら、親しい間柄なんだね。特に、ご年配の利用者が多い店では、話は健康がらみの話題。若いスタッフでは勤まらないかな。
 
 男の美容師はあまり好きではない。できれば話しかけないで欲しいね。上手にカットできれば、それだけでいいから。話についていけないんだよ。私から話しかけることもないから、無言の作業だ。しげしげと顔も見られたくない。だいだい私は仕事のとき以外で男と話をすることがないし、しても顔を見ない。なぜなら、別れたあと顔が思い出せないから。見てない証拠だ。よし!これからはにらめっこするつもりで顔を見よう。

 ああ、夏が来る。小麦色の肌というより、お好みソースの肌になりそうだ。今年は日焼け止め使ってみるかな。