親しくてもねぇ、傷つくことあるんだよ

　言葉って、選ばないと怖いよ。

　心に突き刺さるんだよ。

　それは、例えば行動だと、じわじわ積み重なって、

　そのうちガツンとくる感じ。

　堪忍袋の緒が切れると、そこで終わりだ。

　言葉の場合は一瞬。

　その場から、前向きに考えられなくなる。

　どんなに親しい関係でも、

　「距離をとりなさい」って、心が感じたんだと思う。

　それがたとえ家族であっても。

　その子が成長したんだよ。

　親を自分の育てた基準で批判するように大きくなったんだ。

　もし何も口答えせずに、

　うちにこもらせて、

　ある日突然、消えるなんてことよりいい。

　知り合いにそんな子がいたんだ。

　突然、家を出て、見つからなくて、

　親は原因がまったくわからない。

　何も言わなかったみたい。

　親友にだけ見せた顔があった。

　遺体が見つかったと知ったのは

　しばらくしてからだった。

　そういったことを考えると、

　言いたいことを言えるようになったんだなって、

　喜べばいいさ。

　家族って、甘えられる場所、関係だよ。

　だから、がんばれるんじゃない。

　今、一緒に生活している家族、

　他の人がなんて言っても気にしない。

　好きなことだけして生きることが、

　我慢しかしなかった私には、

　とてつもなく幸せな世界。

　今、家にいる息子は私のわがままを支えてくれている。

　だから、家を出た娘のことは考えないようにしよう。

　考えるとうつ病になりそうだもの。