hitoriの卵焼き

砂糖味、塩味、しょうゆ味、不思議な味。あなたはどれが好きかな。

八十四日目 矢沢永吉   やっぱり矢沢は素晴らしいね。大好き!

 八十四日目 矢沢永吉


    「人は蒔いた物を刈り取る」
   それが伝えたいことなんだろうな。
   この方が生きてきて、若い人たちに言いたいこと。


    人間なんて、どっかでちゃんと
    帳尻が合うようになってるのね。
    20代は20台の青さとか未完成な部分がある。
    そこを恥ずかしがったり隠したがったり、
    うまくごまかしたりしてきた人は、
    あとで絶対しっぺ返しが来るよ。


   失敗なんて怖がることないんだよ。
   最初から上手くいくことのほうがおかしいんだから。


    誰かの情けやらギリやらをあてにして、
    もたれかかっていたら、
    いつでも不安に脅かされることになる。


   誰かの背に乗って進むなんてできない。
   自分の人生じゃないか。
   誰も責任なんてとってくれない。

 

    世の中で大成した人ほど、
    臆病だと思う。
    臆病というのは本当は奥深いものだ。
    だって、臆病っていうのは、
    ある種のレーダーじゃないか。
    臆病なやつは、
    常に怖いから、
    次にどうしなきゃいけないか、
    必死で探る。
    探す、調べる、綿密に計算する。


   慎重さ、大事な特質だよ。
   しかし、そこには、自分で決めたことに対する責任を
   受け入れる覚悟もあるからすごいんだよ。

 

    言いたいのは、  
    それひとつだよ。
    その生き方を人のせいにしちゃダメだ。


   何でも人のせいにしてたら、
   生れてきたのも、親が勝ってに産んだからということになる。
   命にたいする感謝のない人が、
   幸せを感じることはないと私は思うのです。

   どんな小さなことにも感謝する心が、
   豊かな人生を歩ませてくれる。

   感謝する心があれば、
   人の些細な欠点など気にすることもないのです。

   あなたに平安あれ。

 

八十三日目  ソクラテス   足りないものばかり考えていたらコンプレックスの塊になりそう

 八十三日目  ソクラテス

 

    賢者は複雑なことを
    シンプルに考える。


   絡み合って、ぐちゃぐちゃになった毛糸玉。
   ほどく時は、むやみに引っ張らずに、端っこを見つけて、
   少しずつほどいていく。

   人も成功するために、コツコツと経験を積み上げていく。


   成功=金持ち=幸せ  ?


    金持ちがどんなに
    その富を自慢しているとしても、
    彼がその富をどんなふうに使うかが判るまで、
    彼をほめてはいけない。


   金儲けをしなくても、幸せにはなることができる。
   幸せとは、心の基準をどこに当てているかで、
   一人ずつ違うもの。
   生きているだけで幸せを感じる人はたくさんいる。


    我々が皆自分の不幸を持ち寄って並べ、
    それを平等に分けようとしたら、
    ほとんどの人が今自分が受けている
    不幸の方がいいと言って
    立ち去るであろう。


   自分の幸せから目を背けているだけだよ。
   たくさんの幸せがあるのに、足りないものばかり数えている。

   失って初めて、幸せだったことに気づくことだってあります。
   五体満足、健康。

   雨風の心配もなく、安心して寝ることができる家。
   いつでも綺麗な水が手に入り、
   子どもたちが学べる学校がある。

   これ以上の幸せがあるだろうか。

   足りることを覚え、感謝する生活が、
   豊かな心と幸せを作りだすのだと思います。

 

 

八十二日目  辻村深月   本は地球を救う?

 八十二日目  辻村深月

 

   大好きで夢中になれる「何か」を見つけてほしい。
   それはきっと、
   海に投げ出された時にしがみつけるブイのように、
   つらい現実に溺れそうな自分を救ってくれる。


  人によって、それはスポーツだったり、
  打ち込める仕事だったりする。

  私は本だった。

  第一に本の匂いが好き。
  最近は紙質やインクが変わってしまって、
  匂いがあまりしなくなったけど、
  昔の文庫本の匂いは最高。

  昼にゴロリと横になって本を読む。
  目が疲れてきたら、顔の上に広げたままの本を乗せ、
  昼寝をする。
  これが私の贅沢です。


  コンビニに立ち寄っても、
  まずは本を見ます。
  街の本やさんが少なくなって、
  古本屋さんも閉店して、どうしても欲しい本は
  コンビニで注文です。


  年に数回、ショッピングモールに行くことがありますが、
  本屋に足を運ぶのは当然のことなのです。


  本を見ていると落ち着くんです。
  便秘も解消するほどなので、私の体に合っているんでしょうね。

  斜め読みではダメですよ。
  集中して読むんです。
  するとぐっすり眠れます。

  だから、写真集とかマンガでは相性がよくないの。
  最近は名言の本が多いけれど、
  小説を書くときに役立ちそうなものは
  見つけたらすぐに買います。

  変わり種は、
  魔法魔術、日本のしきたり、闇職業、
  まだまだあるけど、書きだすのはやめておこう。

  意外に辞書を見るのも楽しいんだよ。
  好きな辞書は類語辞典と古語辞典。

  ああ、英語辞典はパスします。

  毎日、本に埋もれて寝ている私です。
  きっと、本が虫に食べられる前に、
  本がボロボロになっているはず。

 

八十一日目  フランツ・カフカ    くるみ割り人生だよ

 八十一日目  フランツ・カフカ

 

    神はクルミを与えてくださる。
    でも、それを割ってはくださらぬ。


  神はそれぞれ個々の人間に必ず素晴らしい特技を
  与えてくださっているものです。
  でも、それが何かは自分で見つけなくてはならない。
  体を動かすことに興味がわくかもしれないし、
  じっと座って本を読んだり、
  編み物や工作をすることが好きかもしれない。

 

    書物は
    我々のうちなる凍った海のための
    斧なのだ。


  何をするにしても、自分との戦いになる。
  やり遂げるため、
  生き抜くために学ぶことは必要ですよ。

  本が好きな人ならよいけど、
  苦手な人もいる。
  人から助言をもらうことも一つの方法。
  でもそこで注意しなければならないのは、
  その人の考えを聞くのではなく、参考になることを聞く。
  すべてを決めるのは自分自身。
  助言者の考えたロボットにならないように気をつけるべきです。


    人間には他のあらゆる罪悪がそこから出てくる
    二つの主な罪悪がある。
    すなわち短気と怠惰。


  うまくいかなかったら、すぐに諦めるのが短気。
  気乗りしないからと先延ばしするのが怠惰。
  どちらもよくあることですよね。

  自分がもらった特技、
  伸ばしたいなら、気長に続けましょ。

 

    あるのは目標だけだ。
    道はない。
    われわれが道を呼んでいるのは、
    ためらいに他ならない。


  なかなかゴールが見えないと、
  本当にこの道でいい?って
  進むことをためらってしまう。


  その時は自分を信じるしかないのさ。

 

八十日目 寺山修司   縁側でお茶しない?

 八十日目 寺山修司

 

   この世でいちばん遠い場所は
   自分自身の心である。


  わかっているようで、
  いつも自分の心に振り回されて、
  でも、それが新しい自分だったりする。

  いくつになっても、それはあるものよ。
  人の心には、自分も他人も気がつかない部分があるから。
  自分は知っているけど、見せない部分、
  自分が気がつかないけど、人からはすぐに気づかれている部分、
  自分も他人もわかる公けになっている部分、
  そして、どちらも知らない隠れた未知の部分。
  潜在的な領域かな。


   世界の涯てとは、てめえ自身の夢のことだ。


  死ぬまで夢を追い続けていたいわね。
  なかなかたどり着けないけど、
  着いたと思ったら、遠くにまた夢が見えるの。
  それが幸せってものじゃない。

  蜃気楼じゃない現実のもので、
  でも急ぐ旅でもなくて、
  楽しみながら進むのが夢。

  目的は進むことであって、
  たどり着いて、そこにどっかりと座ることじゃないの。
  


   どんな鳥も想像力より高く飛べる鳥はいない。
   人間に与えられた能力のなかで、
   一番素晴らしいものは想像力である。


  なりたい自分になるには、
  「なりたい」を具体的にイメージしなくちゃ。

  みんな いろんな「なりたい」があるんだろうな。
  だが、私はなぜか、いつも
  「暖かい縁側でお茶を飲む」場面なの。

  まるで古い昭和の映画だね。
  どこか旅行に行きたいなんていうのは、
  行けば終わりでしょ。
  でも縁側は、お茶を飲んでもそこで終わりにはならない、
  不思議な場所。

  あなたの好きな場所はどこ?

 

ナンセンス童話   きき耳ずきん   文春の記者なら欲しがるだろうなぁ

 

ナンセンス童話


     きき耳ずきん

 

 ある日、フリー・マーケツトで見つけた頭巾
 赤い、手垢のついた頭巾

 今ごろ、頭巾なんてかぶる者はいない
 「いやいや、これは珍しいものだから
 きっと、だんなの役に立つはず」

 売り主が無理やり押し付けてくる
 遠慮なんてしていないが
 押し売りは嫌だ

 「おいおい、もったいないことするな」
 売り主が教えてくれたことは
 「実はこの頭巾
 家宝になるほどのもの」

 「大きな声では言えないが
 内緒で教えてあげる
 これはあの有名なきき耳ずきん
 いろいろな声が聞こえる
 ただでもいいから持っていってくれ
 なんなら、このカバンもつけてやるよ」

 カバンを貰って得した気分
 カバの絵もついたカバンに頭巾を入れて
 持って帰った

 しかし、何だか気になるきき耳頭巾
 ちょっと使ってみようか

 うちの犬が何と言うか聞いてみよう
 庭におりて、犬のそばに座った
 頭巾をかぶって待っていたら
 隣の猫がやってきて
 犬と世間話

 二匹が話す、ご近所の噂話
 あれあれ、今度はうちのことだ
 なになに、うちの奥さんが毎日おめかししてお出かけ
 あらあら、いつもお迎えの車が来るだって
 なんたること、それは男

 聞かなきゃよかったような気分
 誰に聞いたと話せばいいの

 今度はスズメが飛んできて
 庭の木に止まって、おしゃべり

 あれあれ、ご近所の夫婦喧嘩の話
 なになに、次は泥棒の話

 しかし困った
 泥棒のことを聞いても、警察に何と言おう

 聞かなきゃよかったような気分
 誰に聞いたと話せばいいの

 捨てるに捨てられない きき耳頭巾
 私もフリー・マーケットで客に売りつけよう

七十九日目 美輪明宏  「いい女」になろうよ。

 七十九日目 美輪明宏


   私はこれまでの人生で、
   弱い女と強い男は見たことがない。


  女はわがままなのかな。
  女なんだから許されるという甘えで生きてる?
  旦那に養ってもらって当然?
  旦那の弁当は手抜きで、自分は友だちとランチ?
  文句言われると旦那の小遣いへらす?


  外見ばかり気にして、
  高い洋服で着飾って、
  朝からしっかりメイク。
  それって、何のため?


  美しい女になりたいの?

 

   美しい言葉遣い、立振舞い、教養、美意識。
   それが美しい女を作る。
   美しい女は、オペラと同じ総合芸術。


  他人が作ったお洒落で、
  街中は似たような人ばかり。
  みんなと同じでないと不安?


   お洒落とは
   「これでいいのよっ!!」
   と強烈な気迫でするもの。
   本当のお洒落な人は、
   自分自身がブランド。
   他人のブランドにしがみつく必要はない。


  人間、誰しも素晴らしいものを持っているはず。
  笑顔が何よりのお洒落。
  口から出る言葉も、思いやりのあるものなら、
  いつでも女神になれるよ。


   皆が喜んでくれる自分を演じるより、
   人目を気にせず、
   素顔の自分を表現すれば楽になる。


  「いい女」「素敵なあなた」になるために、
  そのままの自分を受け入れ、
  足りないとこはそのままで、
  いいところを伸ばそう。
  それでいいんだよ。